ミニチュアオーダーメード制作事例・美容院店舗

ミニチュアだから残せるものがある。
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私が仕事で一番多くご依頼を頂いているのは、事情があって手放さなくてはいけないものを
ミニチュアに出来ないかというご相談です。

後継ぎがいないので実家を処分しなくてはいけない。
もしくは既に処分してしまった。

30年以上経つ保育園を建て替えることになったので、旧園舎をミニチュアに再現して
保育園に記念に贈呈したいなんてご依頼もありました。

中でも多いのは、ご両親が長年営んで来たお店を閉じることになったので、ミニチュアにして
プレゼントしてあげたいというもの。
時には、既にお父様は亡くなられて、自分の子供におじいちゃんが守ってきたお店を
ミニチュアで見せてあげたいというご相談もあります。

写真はご両親が経営されていた美容院。これも、お年を召されて閉店することになり、サプライズプレゼントとして
ご依頼いただきました。

大切な思い出がたくさん、たくさん詰まった建物を残す方法はいろいろあります。
写真。
映像。
絵。

どれも素敵な残し方です。

じゃ、ミニチュアドールハウスで残す意味は何処にあるの?

私は、時間も空間も飛び越えられるところだと思っています。

お店でもご実家でも、一番楽しかった時代、思い出深い光景。

写真や映像はその瞬間しか残せないけれど、ミニチュアドールハウスなら、どの時代にでも
遡れます。写真には残っていないものを足すこともできます。

そして、私は人形は入れないことにしているので、ご覧になる方次第で、どの時代のどのシーンでも
自由に想像したり思い出したりできます。
これって素敵じゃないですか?

実はブログのタイトルは、ここから来ているのです。

思い出というのは、失くしてしまって何年も経ってから、じわじわと寂しさが押し寄せてきます。

そして、思い出は時間が経つごとに心の奥深くに沈んでしまって、薄れていきます。

でも、不思議なんですよね。
ミニチュアドールハウスという立体で、形になると、眺めているうちに、いつの間にか
その世界の住人になってしまう。
そして、建物のひとつの部屋だけを作品にした場合、作品になっていない空間、例えば、この扉の向こうはこうなっていたなぁとか思い出される。
ここで、こんなことした、あんなこともしたと、記憶が刺激されて思い出が蘇ってくる。

私は中学生の時に、父の経営していた会社が倒産して、住んでいた家も思い出のアルバムや
大切なものを全て失くしてしまいました。
悲しいけれど、記憶の底に沈んでしまった思い出は、自分で思っているよりもたくさん
あるのだと思います。両親も亡くなってしまいましたし、姉妹で私が一番上だから、
当時幼かった妹達は、私以上に忘れてしまっている。

今、私が思い出を残す仕事に携わっているのは、もしかしたら運命的なものなのかも。

大切な思い出の残し方の一つに、ミニチュアドールハウスも加えて下さると
嬉しいですね。

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